こんにちは、コピーライティング専門会社・ワードメーカー株式会社の狩生です。
展示会では、1日に何十枚もの名刺が交換されます。
来場者は、複数のブースを回り、さまざまな会社の説明を聞きます。
展示会の会場では、
「この会社は面白そうだ」
「あとで詳しく資料を見てみよう」
と思ってもらえたとしても、会社に戻って名刺を整理する頃には、記憶が薄れていることがあります。
「この人は、どのブースにいた人だっただろう」
「どの製品について説明してくれた人だっただろう」
「話を聞いた記憶はあるけれど、顔が思い出せない」
このような状態になってしまうのです。
そこで検討したいのが、顔写真を入れた展示会用名刺です。
顔写真入り名刺は、単に目立たせるためのものではありません。
展示会で会った記憶を呼び戻すための「記憶のしおり」です。
今回は、展示会名刺に顔写真を入れる意味と、商談につながる名刺の作り方について解説します。
展示会では名刺交換の数が多い

通常の商談では、名刺交換をする相手は1人から数人程度です。
相手の会社名や顔、話した内容を比較的覚えていられます。
しかし、展示会では状況が違います。
来場者によっては、1日に10社、20社、場合によってはそれ以上のブースを回ります。
それぞれのブースで、
- 会社の説明を聞く
- 商品を見せてもらう
- カタログを受け取る
- 名刺を交換する
- アンケートに答える
- ノベルティーを受け取る
という行動を繰り返します。
展示会が終わる頃には、頭の中がたくさんの情報でいっぱいになります。
これは、短時間で何本もの映画の予告編を続けて見るようなものです。
一つひとつは印象に残っていても、時間がたつと内容が混ざってしまいます。
だからこそ、展示会名刺には、通常の名刺以上に「思い出してもらう仕掛け」が必要です。
名刺の目的は連絡先を渡すことだけではない
一般的な名刺には、次のような情報が掲載されています。
- 会社名
- 氏名
- 役職
- 住所
- 電話番号
- メールアドレス
- ホームページ
- 事業内容
これらは、連絡を取るために必要な情報です。
しかし、展示会で交換する名刺には、もう一つ重要な役割があります。
それは、
「誰と、どのような話をしたかを思い出してもらうこと」
です。
展示会後に名刺を見返したとき、会社名と名前だけでは、会場での会話がよみがえらないことがあります。
一方、顔写真が入っていれば、
「ああ、この人が説明してくれた担当者だ」
「この人と、納期の相談をした」
「この人が、特殊な加工について話してくれた」
と記憶が戻りやすくなります。
展示会名刺は、連絡先を記録するカードではありません。
会場で生まれた記憶を、後日もう一度開くための鍵です。
顔写真は「記憶を呼び戻すタグ」になる

人は文字だけでなく、顔や服装、表情、話し方などを組み合わせて相手を覚えています。
しかし、一般的な名刺には文字情報しかありません。
会場で会った人の顔と、名刺に書かれた名前を、来場者自身が頭の中で結びつけなければなりません。
数多くの名刺を交換すると、この結びつきが外れやすくなります。
顔写真が入っていれば、名刺を見た瞬間に、名前と顔が結びつきやすくなります。
たとえるなら、顔写真は荷物に付ける宛名ラベルのようなものです。
ラベルがなければ、どの荷物が誰のものか分からなくなります。
顔写真があることで、
「この名刺は、あの人のものだ」
と識別しやすくなります。
特に、商品ではなく担当者の説明力や対応力が商談に影響するBtoB企業では、人の記憶を残すことが重要です。
展示会後のフォロー営業にも役立つ

展示会では、名刺交換をした後のフォローが重要です。
会場で良い話ができても、その後何もしなければ、商談につながらないことがあります。
展示会後には、次のような連絡をすることが多いでしょう。
- お礼メールを送る
- 電話で状況を確認する
- 詳しい資料を送る
- オンライン相談を案内する
- 訪問の約束を取る
そのとき、相手が担当者の顔を覚えているかどうかで、反応が変わることがあります。
たとえば、電話をしたときに、
「展示会でご説明した〇〇です」
と伝えても、相手が顔を思い出せなければ、知らない営業担当者から電話が来たように感じられます。
一方、顔写真入りの名刺を見てもらえていれば、
「あのとき説明してくれた方ですね」
と会話を再開しやすくなります。
展示会後の営業は、ゼロから関係をつくるのではありません。
会場で生まれた小さな関係を、もう一度温め直す作業です。
顔写真入り名刺は、その温度を下げにくくする役割を果たします。
展示会ごとに専用名刺を作る必要はあるのか
展示会名刺を作るとき、
「展示会名や開催日を名刺に入れたい」
という相談があります。
展示会名を入れるメリットは、どの展示会で会った人なのかが分かりやすくなることです。
一方で、展示会ごとに名刺を作ると、余った名刺を別の機会に使いにくくなります。
たとえば、100枚印刷して40枚しか配らなかった場合、残りの60枚は次回使えない可能性があります。
年に複数回展示会へ出る会社では、そのたびに名刺を作り直すことになり、管理も複雑になります。
そこでおすすめしたいのが、展示会名を限定しない「展示会共通名刺」です。
表面には顔写真と基本情報を掲載し、裏面には次のような内容を載せます。
- 会社の主な強み
- 対応できる加工やサービス
- 得意分野
- よく相談される内容
- ホームページへのQRコード
- 製品紹介動画へのQRコード
展示会名を入れなくても、
「展示会で話を聞いた会社だ」
と思い出してもらえる内容にしておけば、複数の展示会で使用できます。
名刺の表面は「人」を覚えてもらう
展示会名刺の表面では、担当者本人を覚えてもらうことを優先します。
掲載する主な内容は次のとおりです。
- 顔写真
- 氏名
- 役職
- 会社名
- 連絡先
- 短い担当分野
たとえば、役職だけでなく、
「採用・人材育成のご相談担当」
「設備導入の技術相談担当」
など、何について話せる人なのかを加える方法があります。
来場者は、会社全体よりも、
「この人に何を相談できるか」
を覚えていることがあります。
表面に情報を詰め込みすぎず、顔と名前、担当内容を見つけやすくすることが大切です。
裏面では「会社の特徴」を思い出してもらう
表面で人を覚えてもらい、裏面で会社の特徴を伝えます。
展示会後に名刺を見た人が、
「何をしている会社だったか」
を思い出せるようにします。
たとえば、製造業であれば次のような内容です。
- 小ロットから対応
- 試作相談可能
- 短納期の相談可能
- 特殊素材に対応
- 設計段階から相談可能
- 一貫生産に対応
- 独自の加工技術
- 対応できる製品例
会社案内の文章をそのまま載せるのではなく、短い言葉でまとめます。
「高品質な製品を提供します」
という抽象的な言葉よりも、
「試作1個から相談可能」
「図面がなくてもご相談ください」
のような具体的な表現の方が記憶に残ります。
名刺の裏面は、小さな会社案内ではありません。
相手の記憶に残したい特徴を絞り込む場所です。
顔写真はプロに撮ってもらうべきか
顔写真入り名刺では、写真の印象が名刺全体の印象に影響します。
できれば、プロのカメラマンに撮影してもらうことをおすすめします。
プロの撮影では、次のような点が調整されます。
- 表情
- 顔の角度
- 姿勢
- 明るさ
- 背景
- 服装の見え方
- 手や体の動き
- 名刺に入れたときの構図
普段写真を撮られ慣れていない人に、
「自然に笑ってください」
と伝えても、表情が固くなることがあります。
プロのカメラマンは、会話をしながら表情を引き出したり、何かを説明する動作をお願いしたりして、自然な写真を撮影します。
商品について話しているような身ぶりの写真は、単に正面を向いた証明写真よりも、展示会の場面を思い出してもらいやすくなります。
スマートフォン撮影でも大丈夫か
予算や時間の都合で、すぐにプロへ依頼できない場合は、スマートフォンで撮影する方法もあります。
現在のスマートフォンは画質が高いため、条件を整えれば名刺に使用できる写真を撮影できます。
撮影するときは、次の点を意識します。
明るい場所で撮る
暗い室内ではなく、自然光が入る明るい場所を選びます。
顔に強い影ができないように注意します。
背景をシンプルにする
白い壁や無地の背景を使うと、名刺に配置しやすくなります。
書類や荷物が多く写り込む場所は避けます。
正面だけでなく複数の角度で撮る
少し斜めを向いた写真や、説明しているような姿勢も撮っておきます。
デザインによって使いやすい写真が異なるため、複数のパターンがあると便利です。
余白を広めに撮る
顔だけを大きく撮るのではなく、胸から上が入る程度に撮影します。
後から切り抜いたり、位置を調整したりしやすくなります。
表情を確認する
無表情よりも、少し笑顔がある方が話しかけやすい印象になります。
ただし、無理に大きく笑う必要はありません。
会社の雰囲気や本人の役割に合った表情を選びます。
展示会当日の姿と写真を近づける
名刺の写真と展示会当日の印象が大きく違うと、相手が気づきにくくなります。
たとえば、写真ではスーツを着ているのに、展示会では作業着を着ている場合、別人のように見えることがあります。
展示会で制服や作業着を着るのであれば、名刺の写真も同じ服装で撮影する方法があります。
服装が同じであれば、
「あのブースにいた人だ」
と思い出してもらいやすくなります。
また、複数の社員が展示会に参加する場合は、写真の背景、明るさ、構図、服装をそろえると、名刺全体に統一感が出ます。
社員ごとに撮影方法が違うと、同じ会社の名刺でもばらばらな印象になります。
動画から切り出した写真は使えるか
展示会用名刺を急いで作る場合、本人の正面写真がないこともあります。
その場合、会社紹介動画やインタビュー動画から静止画を切り出す方法があります。
小さく使用するウェブサイトの写真であれば、動画からの切り出しでも対応できることがあります。
しかし、印刷物では注意が必要です。
動画の画質や撮影条件によっては、印刷したときに顔がぼやけたり、粗く見えたりします。
また、会話中の一瞬を切り出すため、目を閉じていたり、表情が不自然になっていたりすることもあります。
動画からの切り出しは、仮の写真や小さな表示には使えます。
長期間使用する展示会名刺であれば、改めて撮影した方が安心です。
名刺に入れる顔写真は「本人らしさ」が大切
最近は、AIを使って写真の背景を変更したり、表情を調整したりすることもできます。
明るさの調整や背景の削除など、補助的な加工は便利です。
一方で、顔の形や表情を大きく変えてしまうと、実際に会った本人と名刺の写真が一致しなくなります。
展示会名刺の目的は、本人を格好良く見せることだけではありません。
実際に会った人を思い出してもらうことです。
写真をきれいにしすぎて別人のようになれば、名刺の役割を果たせません。
名刺写真では、加工された完璧さよりも、本人らしさを優先します。
QRコードの移動先も工夫する
展示会名刺には、ホームページへのQRコードを掲載することがあります。
ただし、会社のトップページへ移動させるだけでは、展示会で話した内容を見つけられないことがあります。
できれば、次のようなページへ案内します。
- 展示製品の専用ページ
- 対応できる技術の紹介ページ
- 製品紹介動画
- 導入事例
- 担当者の紹介ページ
- 資料ダウンロードページ
- 展示会後の相談予約ページ
展示会で特定の商品について説明したのであれば、その商品のページへ直接案内した方が親切です。
大きなショッピングセンターの入口へ案内するより、探している売り場の前へ案内する方が迷いません。
QRコードの近くには、
「展示製品の動画はこちら」
「加工事例をご覧いただけます」
「技術相談はこちら」
など、読み取った後に何が見られるのかを書きます。
名刺と展示会パネルの内容をそろえる
名刺、パネル、チラシ、パンフレットが、それぞれ違うことを伝えていると、会社の特徴が記憶に残りにくくなります。
たとえば、展示会パネルでは「小ロット対応」を大きく打ち出しているのに、名刺にはそのことが書かれていない場合があります。
展示会で印象に残したい強みは、各ツールで統一します。
- ブースのメインコピー
- 展示会パネル
- チラシ
- パンフレット
- 名刺
- 展示会後のメール
- 移動先のホームページ
同じ言葉やメッセージを繰り返すことで、
「あの小ロット対応の会社だ」
「特殊な部品を包装できる会社だ」
と覚えてもらいやすくなります。
名刺だけを単独で作るのではなく、展示会全体のメッセージの一部として設計することが大切です。
顔写真だけでは商談につながらない
顔写真を入れれば、必ず商談が増えるわけではありません。
顔を覚えてもらえても、何を相談できる会社なのかが分からなければ、連絡する理由がありません。
展示会名刺では、次の3つを伝える必要があります。
- 誰なのか
- 何を相談できるのか
- 次にどこを見ればよいのか
顔写真は「誰なのか」を伝えます。
担当分野や強みは「何を相談できるのか」を伝えます。
QRコードや連絡先は「次にどこへ進めばよいのか」を伝えます。
この3つがそろって、展示会後に使える名刺になります。
顔写真だけが大きく、会社の特徴が分からない名刺では、タレントのプロフィールカードのようになってしまいます。
目的は、顔を覚えてもらうことではなく、次の商談につなげることです。
展示会後のフォロー方法まで決めておく
展示会名刺を作る段階で、展示会後のフォロー方法も決めておきます。
たとえば、次のような流れです。
展示会当日
名刺交換を行い、相手の関心がある内容をメモします。
展示会翌日から3日以内
お礼メールを送り、会場で話した内容に触れます。
1週間以内
相手の関心に合う資料や事例を送ります。
その後
反応がある相手へ、オンライン相談や訪問を案内します。
このとき、顔写真入り名刺と同じ写真をメールの署名や担当者紹介にも使用すると、本人だと気づいてもらいやすくなります。
展示会名刺は、会場で渡して終わるものではありません。
フォロー営業と組み合わせて初めて、本来の力を発揮します。
まとめ
展示会では、来場者が短時間で多くの会社と名刺交換を行います。
そのため、展示会後に名刺を見返しても、
「どこの誰だったか分からない」
ということが起こります。
顔写真入りの展示会名刺は、会場で会った担当者の記憶を呼び戻すために役立ちます。
重要なポイントは次のとおりです。
- 顔写真で担当者を思い出してもらう
- 表面では人、裏面では会社の特徴を伝える
- 展示会ごとではなく、共通で使える名刺も検討する
- 当日の服装に近い写真を使用する
- できればプロに撮影してもらう
- 担当分野や相談できる内容を明記する
- QRコードの移動先を展示内容に合わせる
- パネルやチラシとメッセージを統一する
- 展示会後のフォロー営業と連動させる
展示会名刺は、連絡先を渡すためだけの紙ではありません。
展示会で交わした会話を、後日もう一度始めるための道具です。
顔写真は、その会話を呼び戻すスイッチになります。
ワードメーカー株式会社では、展示会用の名刺だけでなく、パネル、ポスター、チラシ、パンフレットなど、展示会に必要な各種ツールを制作しています。
- 展示会後に自社を思い出してもらえない
- 名刺を配っても、その後の商談につながらない
- 展示会用名刺に何を載せればよいか分からない
- 社員ごとの顔写真入り名刺を作りたい
- パネルやチラシとメッセージを統一したい
- 展示会後のフォローまで含めて設計したい
このようなお悩みがございましたら、ワードメーカー株式会社までご相談ください。



